東京女子医科大学は、平成28年度文部科学省科学技術人材育成費補助事業「ダイバーシティ研究環境実現イニシアティブ(特色型)」に採択されました。
本事業は、研究者のライフイベント及びワークライフ・バランスに配慮した研究環境の改善やそれに向けた機関内の意識改革、女性研究者の裾野の拡大、女性研究者の研究力の向上及び上位職への積極登用に有効な部局横断的な取組などを行う大学等を支援するものです。
本学では、実績をあげてきた従来の取組にさらに多様な視点と発想を取り入れ、女性研究者の研究力向上・上位職登用を実現させるため、次の取組を進めてまいります(実施期間:平成28年度~令和3年度(予定))。
※ダイバーシティ環境整備事業ロゴマークについて
ダイバーシティ環境整備事業を本学内に一層浸透させ力強く推進していくために、事業推進のシンボルとしてロゴマークを作成しました。
女性 WomanのWをモチーフに人型をあしらい、「より良い社会を作ろうとする女性の逞しさ」と「人生を謳歌するのびやかな女性」をイメージしています。
目標と行動計画
目標
本学は、女性医療者(医師・看護師)を養成する医科大学であり、平成18年度には文部科学省科学技術振興調整費「女性研究者支援モデル育成事業」に採択され、病児保育と短時間勤務制度の創設によって優れた女性研究者が研究を継続するための支援を実施しました。事業終了後は、男女共同参画推進局(女性医療人キャリア形成センター)を設置し、保育については院内保育所による、待機児、夜間、休日、病児の対応を行うほか、ファミリーサポートによるきめ細かい支援を行っています。短時間勤務制度も育児期のみでなく、キャリア形成のための制度を創設するなど、事業を発展させています。それら取り組みによりライフイベントによって研究を中断しない環境整備は進んできていますが、一層のキャリア形成、上位職の登用においては充分な成果が出ていない状況です。例えば、平成27年における女性教授は全教授124名中25名(20%)にすぎません。そこで女性医療人のキャリア形成支援を強化するため、令和2年度までに女性教授を30%とすることを目標として設定しました。
- 女性医師・研究者の資質向上を目的に、女性医療人に特化したキャリア形成支援を行い、女性教授を30%にする。
- 女性事務管理職の割合を30%にする。
- 育児や介護関連制度等、就業規則の周知や啓発、また制度を利用しやすい職場環境・雰囲気づくりの推進。
- 臨床系教員及び医療練士研修生の短時間勤務の制度化および周知。
行動計画
ダイバーシティ研究環境整備
・勤務環境の改善
・育児支援の発展
・介護支援制度創設
研究力向上とリーダー育成
・メディアラボでのコンテンツ作成
・キャリア形成の個別支援と全体講演会
・ピアラーニング
・各種セミナー
・研究支援員制度
上位職への積極登用
・特命担当教授の新設
・プラスファクター方式の導入
・教員評価制度見直し
・所属長意識改革(ダイバーシティ講習会)
実施体制
ダイバーシティ環境整備事業推進室
「ダイバーシティ研究環境実現イニシアティブ」事業を円滑に進めるために女性医療人キャリア形成センターに「ダイバーシティ環境整備事業推進室 」を設置します。本事業の各取組についての具体的審議は「ダイバーシティ担当推進者会議」で行い、各施策推進の司令塔としての役割を担います。
女性医療人キャリア形成センター(旧 男女共同参画推進局)には、女性活躍推進法による行動計画の実施のために、これまでの「女性医師・研究者支援部門」、「女性医師再研修部門」、「看護職キャリア開発支援部門」の3部門に加えて、平成27年度設置した女性上位職登用のための「彌生塾」が設置されています。「ダイバーシティ環境整備事業推進室 」はこれらの各部門及び委員会と有機的に連携し、多面的な活動を推進します。
関係者名簿
事業参加者リスト(2021年度) | ||
氏 名 | 所 属 | |
部 署 | 役 職 | |
岩本 絹子 | 東京女子医科大学 | 理事長 |
丸 義朗 | 東京女子医科大学 | 学長 |
肥塚 直美 | 東京女子医科大学 女性医療人キャリア形成センター |
常務理事 センター長 |
斎藤 加代子 | 遺伝子医学分野 女性医療人キャリア形成センター |
特任教授 副センター長 |
石黒 直子 | 東京女子医科大学 皮膚科学講座 皮膚科学分野 |
医学部長 教授・基幹分野長 |
佐藤 麻子 | 臨床検査科 女性医師・研究者支援部門 |
教授 部門長 |
内田 啓子 | 内科学講座 腎臓内科分野 女性医療人リーダー育成部門 |
教授 部門長 |
本多 祥子 | 解剖学講座 神経分子形態学分野 ダイバーシティ環境整備事業推進室 |
准教授 室長 |